銀塩写真。
フィルムで写真を撮らなくなって随分経つ。
十数年前、カシオのQV-10を学生の頃に買ったのが初デジカメ。
25万画素で4万ほどしただろうか。
その後オリンパスやリコーのコンデジを買い換えながらも、あくまでメインのカメラは銀塩のCONTAXにCarl Zeissのレンズだった。
小学生の頃まで遡れば、親父に貰ったPENTAX SV+super takumar 55mm F1.8と、母にもらったKONICA C35…。
長旅に出るときも、デジカメの用途はあくまでメモ程度の写真や記念写真の撮影。
パソコンで写真をいじるときも、ネガやポジをフィルムスキャン。
それが、「これは本格的に使えるかも!」と初めて思ったのが、リコーのCaprio GX。
数年前のコンデジではほとんど見られなかった広角28mmからのレンズ。
専用のワイコンを着ければ21mmの超広角。
かつてのリコーの名機、GRの流れを汲むボディ。
最初にパソコンに取り込んだとき、これはフィルムスキャンを通して取り込む画像より綺麗かも、と思った。
その後数台のデジタル一眼とコンデジを経て、今のメイン機はPENTAX K20D。
描写は勿論、使い勝手の良さもお気に入りだが、3台続けてPENTAXを使っている一番の理由は、古いレンズもしっかり使えるから。
APS-C機とはいえ、ペンタプリズムでマニュアルレンズでもピントの山が掴みやすく、フォーカスインジケーターがだいたいの合焦を教えてくれる。
マニュアル時代の自社レンズは勿論、格安のスクリューマウント用アダプターを介せば東欧やロシアレンズも使い放題。
しかも、本体側の手振れ補正機構なので、それら全てのレンズで手振れ補正が効く。
唯一つ不満があったのが、銀塩時代に揃えていたヤシカ/コンタックスマウント用のCarl Zeissレンズが使えないこと。
PENTAXのKマウントとヤシコンマウントはマウント径もフランジバックもほぼ同じだから対応するレンズアダプターが作れないのだ。
なので、PENTAXのカメラにY/Cマウントのレンズをはめると、手で支えてさえいれば使うことができる。
ただ、それではあまりに使い勝手が悪い。
Zeissのレンズ資産用にOLYMPUSのE-300とマウントアダプターを買ったこともあるが、ファインダーの小ささと、フォーサーズゆえ画角が倍になってしまう使い勝手の悪さですっかりお蔵入り…。
そして、つい手を出してしまったのがマウント改造。
銘玉(癖玉?)の誉れ高いCarl Zeiss Planar 85mm F1.4をY/CマウントからPENTAX用に無理やりマウント交換。
デジタルに着けても、やっぱり描写は素晴らしい。
今思えば、この時がデジタルへの完全移行の時だったかもしれない。
とはいえ、デジタルカメラが味とか雰囲気とかあいまいなものではなく銀塩に負けているのが、ダイナミックレンジの広さだった。
デジカメはネガフィルム等に比べると、どうしてもダイナミックレンジが狭かった。
暗い部分に露出をあわせると白飛び。明るい部分にあわせれば黒つぶれしやすかった。
最近のデジイチではダイナミックレンジ拡張機能がついている機種が多いが、それでも限界がある。
それを解消する方法の一つとしてHDRがある。
ブランケット撮影やRAWデータから複数の露出違いの写真を用意し合成する。
以前はPhotoshop等で手作業で合成したりしていたが、今はPhotoshopの一機能で生成できる。
Photomatix Pro 3.0のようなHDR写真生成専用のソフトも出ている。
http://www.zorg.com/store/products/photomatix/
Photoshop CS3でも何度か生成してみたが、使い勝手はPhotomatixの方が良い。
そんなこんなで、最近は+-1.5程度設定で3枚撮りのブランケット撮影やRAW撮りが多くなってしまい、すぐにメモリが一杯になってしまう…。